シングル(未満)マザー ~鏡花水月~

重度知的障害児の中学生(自閉症)ときょうだいとの日々。同じ悩みを抱える誰かが少し明るくなれるように。

<障害児を育てる>障害児の気持ちは行動で伝わる

こんにちは。

新学期にむけ、気分を一新しようと、子どもたちと春の大掃除をしようと考え中です。

日々の生活の中に、少しずつお掃除タイムを設けています。

それは・・・大掃除とは言いませんね(;^_^A

 

 

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大切にしているもの

子どもの頃に「これがあると落ち着くアイテム」はありましたか?

小さい子なら人形とか、ぬいぐるみとか、タオルとか、いろいろありますよね。

うちの子どもたちは、息子2くんのくんだけが「これがあると安心するアイテム」があります。

息子2くんの「安心アイテム」は、娘ちゃんが小学校入学前に使っていたお昼寝タオルケットです。

(もともと息子2くん自身のものではないんです)

女の子のタオルケットなので、うさぎちゃんの描かれたピンク色です。

もう10年以上使用しているので、くたくた~のぺらぺら~、色あせてます。

でも、息子2くんには「それ」がいいんですよね。

何度も「新しくかっこいい肌触りのいいタオルケットを買おう!」と提案しているのですが、「これがいい」と決して譲りません(゜-゜)

こだわりって不思議ですよね・・・

障害児が「大切」に扱う難しさ

重度知的障害のほかに協調性運動障害の診断を受けている息子1くんは、手先があまり器用ではありません。

また、ちょっとした「気が使えない」ので、無意識でいるときは、ついつい行動が雑になりがちです。

うっかりドアを強めに閉めてしまったり、

グラスをテーブルに打ちつける様に置いてしまったり、

手に持っていたリモコンを知らず知らずのうちに落としてしまったり。

パニックになると周囲の物を、無意識に傷つけてしまうこともしばしばです。

自分の細部まで「常に意識が届きにくい」ので、

こまめに「気を付けようね」と意識を向けさせる場面が日常的にあります。

(ぐちぐち文句を言うのではなく、弱い触覚の代わりに、聴覚に訴えかけるイメージです)

障害児にも「大切」な気持ちはわかる

そんな息子1くんも、いろいろな場面で、息子1くんなりのペースで日々成長しています。

ほかの一般的な子に比べれば、なん100倍かの声掛けが必要になってきますが、それが息子1くんのペースなんです。

パニックだって回数や時間は、見違えるほどに減少しました。

また、壊れやすいもの、大事なものも理解して対応している事が増えました。

それも息子1くんなりのゆっくりゆっくりの成長です。

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障害児の行動で表す「大切」

 そんな息子1くんと暮らす中で「きちんと理解してもらう」ことは、残念ながら難しいと感じる事が多いです。

しかし、一方でなんとなく感じとってもらう」「肌感覚で伝わる」ことは、少なからず絶対にあると感じます。

息子2くんの手放せない大事なタオルケットを、息子1くんは必ず、息子2くんのまくらの横に置きます。

息子2くんが眠って、手からタオルケットが離れていたら、その手に持たせようとします。

タオルケットが洗濯物の中にあるのを発見すると、そのまま息子2くんにタオルケットを届けに行きます。

息子2くんがいない時は、かならず、いつもあるべき押し入れの中にしまいます。

一見すると、とても荒い動きなのですが、そこにはちゃんと気持ちがこもっています。

自分にとって、大事な人

その大事な人が、大切にしているモノだから、大事にしたい。

そんな言葉ではない気持ちがこもっています。

自閉症児は気持ちが全く分からないわけじゃない

息子1くんは自閉的傾向がある子なので、空気を察することはできません。

でも、息子1くんに気持ちがあるのはわかります。やさしいところがあるのもわかります。

自閉症児を育てている方が、もし気持ちがわからないとお悩みなら「全部はわからないけど、わたしたちが大事だと思っていることは伝わっている」と思ってほしいです。

障害児に気持ちを伝えるには、行動で示し続けること

「人に大事にされたいと思ったら、まず自分を大事にしなさい」とはよく耳にする言葉です。

「わたしの時計、預かってて」と普段からよく置きっぱなしにされているのを見かける時計を預かった場合。

「わたしの大事な時計、預かってて」と普段から大切そうに扱われている時計を預かった場合では、心構えが違います。

「わたしなんて」という言葉も娘ちゃんは話したりもしますが、そのたびに注意します。

「娘ちゃん自身が自分を大切にしなきゃ、周りの人は娘ちゃんを大切にできないよ」と。

「大切にされたらうれしい気持ちがわかるし、

自分がだれかを大切にしたいって気持ちもうまれてくると思う」

悲しい日もあります。

前を向けない日も、もうダメかもと思う日も来るかもしれません。

でも、そんなときに大丈夫って思える「自分自身の優しい部分」を育てていってほしいと願います。

息子1くんには言葉で「大切にしてね」といっても漠然として伝わりません。

でも、毎日大切にしている姿を見続けたら「大切」なものだとわかってくれます。

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最後に

伝えたいことがきちんと伝わるか不安な文章になってしまいました。

読みにくかったら、申し訳ありません。

そんな文章ですが最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございました。

今日も皆様にいいことがありますように、心から願います。