知的障害児の言語喪失 失ったものを追うよりも
こんにちは。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
4月は慌ただしく過ぎていきますが、わたしはとても好きな季節です。
自分の誕生日があるからでしょうか?(笑)
また、自閉症啓発週間があるのも4月ですね。
www.worldautismawarenessday.jp
大変だけど、いろいろな「初めてのシーン」を見るのが楽しいです。
初めて入った教室は、この時しかない空気感に包まれていましたよね。
1年経って、みんながなじんだ教室の色を重ねたような空気感とは全く違う、
「色の全く塗られていない絵」のようなイメージがあります。
今だけしか味わえない空気感が好きです。
4月全体にそんなイメージを抱きつつ、「何色を重ねてもいい」と楽しみながら、子ども達の新学期を待ちたいと思います(o^―^o)
言語喪失前の自転車の思い出
知的障害&自閉症の息子1くんの言語喪失について書こうと思ったのですが、息子1くんの言語は、わたしの中では自転車の思い出と一緒です。
現在、わたしは自転車を持っていません。自動車移動がベースです。
学校行事等でどうしても自転車が必要な時は、娘ちゃんの自転車を借ります(笑)
「(母子家庭になろうとしているのに)車があるなんて贅沢だね~」と言われることもありますが、理由はあるんです。
自動車は息子1くんの移動手段だからです。
中学生男子はママチャリに乗せて移動なんてできません(笑)
また歩いていてもどこかにいなくなってしまう息子1くんを、1人で自転車にのせたら大変です(´;ω;`)
ものすごいスピードで(速いの大好き)、信号も守らず(ルールがよく理解できない)、どこまでも(目的地が無い)走り抜けてしまうでしょう。
ですので、自転車の練習さえ、させたことがありません。
では、公共機関や徒歩で移動すれば?と思いますが、なかなか簡単ではありません。
息子1くんがご機嫌な時はいいのですが、大きな音がしたり、予想できない事態が起こったり(遅延や緊急停止)、理由も(わたしには)わからずにパニックになってしまったら落ち着くまでが大変です。
自分と同じ大きさに育った中学生男子に
力ではかないませんし(;´・ω・)
発達障害児などのパニックさんに出会ったら・・・おねがい
ちなみに、もしみなさんが、街中で明らかにパニックになった子を見つけたら
「あ~なにか気になることとか、いやなことがあったんだね。びっくりしたね~」
と明るく見守って下さればと思います。
わたし個人の意見ですが「うわっ大変そ~」とみられる視線は一番痛いです。
パニックになった息子1くんをサポートしているわたしは、「どうしよう」という心の声とは裏腹に、必死に笑顔で安心感を与えようとしているのですから。
障害児ときょうだいを乗せた4人乗り自転車
ワンオペで3人を保育園や療育施設へ送り届けていた当時、わたしは自動車免許を所有していませんでした(*´Д`*)
仕事にもいかなくちゃいけないし・・・迷わず自転車通勤でした。
前の座席に息子1くんを座らせてシートベルトをして、膝の上に息子1くんの荷物。
サドルに座るわたしは斜めがけのバッグに、おんぶした息子2くん。
後ろの席には娘ちゃんを座らせて、その上に息子2くんと娘ちゃんの荷物。
後ろの座席の背もたれに、お昼寝布団を引っ掛ける事もありました。
もう・・・すごいですね。今じゃできません。
保育園と療育施設は離れていたため、1日12キロ走っていました。
パトカーのおまわりさんに「中国雑技団じゃないんだから・・・」と何回か注意されましたが、「だって方法がないんだもん!!」
知的障害児からことばが消える言語喪失
自転車でも息子1くんは多動でした。今では懐かしくほほえましいですが。
初めて自転車にのせた1歳ころ、息子1くんは少しですが単語を話していました。
今ではほとんど話しませんが、発達障害の子に見られる「喪失」です。
この言語喪失で「この子ちょっとちがう」と気づく親御さんも多数いらっしゃいます。
でも、この時点では「そんなことないよね・・・」といいたい気持ちが強いです。
もし、今グレーの方がこのブログを読んでいたら、「なくなることだけを悲しみ過ぎないでほしい」と願います。
息子1くんは当時、点滅する信号が大好きで、自転車の前の座席から信号を指さし、シートベルトをすり抜け(不思議にうまい)、
「しんごー!しんごー!!」と大きな声で叫びます。
近くの人も、反対側で信号を待っている人も、何事かと振り返ります。
わたしは一生懸命息子1くんを座らせようと、肩を押すのですが「しんごー!」と全力で叫ぶ声は点滅が終わるまで終わりません。
やめてほしいとさえ思ったあの言葉を、
聞けなくなるなんて思わなかったよ。
不思議ですが、徐々に言葉はなくなり、今ではたまーに「ごはん」「ぱん」「いやっ」「かえる」を聞くくらいです。
最初は「そんなことないでしょ」と思っていた構音障害の診断は的確でした。
言語喪失した、あなたがいいんです
「(もう一度)話せるようになったら」と思うこともありますが、
失くしたものを追うのは、下を向いて探し物をしているような気分です。
下ばかり向いていたら、前が見えなくなるんじゃないかと不安になります。
息子1くんは、最近何故かにこにこすることが多いです。
春だから?(笑)
小さい頃は泣いてばかりいた息子1くん。
あの頃のわたしは息子1くんに、きっと笑顔を求めていました。
笑顔を見たくて、よく息子1くんをくすぐっていました(笑)
なくしたもの、足りないものは欲しくなってしまうけど、今あるものを大事にしていきたいと思います。
もうなくしたくはないですから(*ノωノ)
失ったものにすがるより、今の息子1くんを追いかけようと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
笑顔がたくさん出せる一日になりますように~。