障害児の虫歯治療の実態~歯科医J先生その1
こんにちは。
ご覧いただきありがとうございます。
お口の中は健康ですか?
なかなか歯医者さんは近寄りがたいイメージを持っている方って多いですよね。
「痛くなるまでいかない」という方もわたしのまわりにはいます(笑)
我が家では、痛くなる前に半年に1回、定期健診に向かいます。
唯一の子育て自慢は障害児の虫歯治療
わたしが唯一、子育てに関して誇れることがあります。
それは「子どもたちが、歯医者さんを好きなこと」です。
「痛いこと」経験してからでは、いやな思いの方が先行してしまいますよね。
なので、3人とも1歳の時から歯医者さんに通っています。
(フッ素を塗ったり、定期検診をしてもらっていました)
なんと!息子1くんも通っています(*´▽`*)
進行した虫歯になる前だと「歯医者さん=歯をきれいに掃除してくれるお医者さん」と認識されるようです。
障害児の虫歯治療をしてくれる歯科医はご近所でも評判の厳しい先生
ずっと通い続けている先生に出会ったのは、もう14年前です。
乳児二人をワンオペで育てていたわたしにさらなる試練が・・・歯痛(´;ω;`)
病院に行きたくても娘ちゃん&息子1くんを預ける人がいなかったので、
探したのは、子連れOKな歯医者さん。
当時はまだ少なかったのですが、巡り合ったのがJ先生でした。
知り合いから情報をもらったのですが「近所でも評判の厳しい先生」でした。
厳しいのに子連れOKなんて不思議でしたが、そのまま駆け込むことに。
障害児の虫歯治療をしてくれる歯科医が厳しいと言われる理由
①時間にはめっちゃ厳しい
急患を除いて、他の歯医者さんと同じ様に予約制です。遅れるとムッとします(笑)
予約時間の5分前には来院していてくださいねというスタンス。
診察は必ず予約時間にははじまります。
一人だいたい15分~30分。(治療内容に応じて先生が予約時に確認してくれます)
治療時間は基本的に他の患者さんはいません。
集中して一気に今日の分を終わらせてくれます。
②子どもにも本気
笑顔が少ない先生ですが(マスクで見えない事もあるかも)、感じが悪いわけではありません。
「嫌がっても、1回あきらめちゃうと、できるようになるまでが長くなる。
そうすると、歯が痛いのが長くなるから、いいことは一つもない」
という考え方がベースなので、初めて来た子どもが泣いていても全然平気で淡々と治療してくれます。
それが「怖い」という親御さんや子どもがいるみたいです。
③親にも宿題
基本的に自分たち以外は診療時間が同じ人はいないので貸し切りスペースになります。
親が治療して貰っている時、手の空いている歯科衛生士さん(きっとスタンバイしていてくれる)が、子どもたちの相手をしてくれます。
最後に小さい子どもたちの親には必ず一言添えているみたいです。
「がんばって歯医者さん行こう!とか、歯医者さんで頑張ったからご褒美!とかはやめてくださいね」と。
歯医者さんに怖いイメージを持つと治療する時に、体に力が入ってしまい、
先生の方も力を入れなくてはいけなくなるので、
結果子どもたちが痛い思いをしてしまう機会が増える原因になるからだそうです。
また、歯医者の帰りに甘いもの~はフッ素を塗った意味が半減するからですって。
わたしはこのご意見には納得でしたが(^▽^)/
中学生になった重度知的障害児が歯医者さんに通える理由
超多動でじっとしていることが大の苦手の息子1くん。
今では私と同じ背丈で力もありますが、おとなしく(?)J先生のところには通っています。
1歳から歯医者さんに通っていた息子1くんですが、
2歳前には「ちょっと違う子」でした。
きっと歯医者の先生も気づいていたんだと思います。
障害があると診断をもらった後、わたしは歯医者さんに話しました。
「先生、この子やっぱり人と違うみたいです。
今は小さいから一緒に(わたしの)上に乗せてイスに座れるけど、
もっと大きくなったら一人では座っていられないと思う。
力もどんどん強くなって、口も開けられないかもしれない。
暴れてしまったら、先生たちに迷惑を掛けるかもしれない。
障害児(障害者)を専門で見てくれる歯医者さんを紹介してくれませんか?」
先生は、表情を変えないで返事をしてくれました。
「別に紹介するのはいいけどさ。
いいこと一つもないと思うよ。
障害児専門とかだと、大きな大学病院とかに行かなきゃいけない事が多いでしょ。
行くまでにだって時間がかかる。大学病院は待ち時間も長い。
息子1くんは待つの苦手だし、イライラしちゃうと思うよ。
何より予約がなかなか取れないから、歯の治療は遅くなる。
僕のところだったら、待ち時間は極力なくして予約時間はぴったりにするし、
治療も短時間で終わらせるようにしてるから、患者さんが同じ時間にかぶって長引くことはまずないでしょ。
大きくなって一人では座れないかもっていうのは「慣れ」が大事だよね。
今までも定期的に来てるから、この子にとってここは知っている場所。
一人で治療を受けるまでには時間がかかるかもしれないけど、新しいところにいくより、待ち時間・移動時間が少なくて慣れた場所で座れるようになる方が、本人も気が楽だと思うよ。
口を開けないかもっていうのは、今もあるでしょ?それも慣れだよ。
大学病院に行ったって、暴れちゃう、口を開けないじゃ、
体をマジックテープで固定されたて、器具で口を開けさせなきゃならないんだよ?
もっとひどかったら全身麻酔になるんだよ?
息子1くんは、もっと歯医者に行きたくなくなることしか起きないと思うよ。
今からここで、口を開けるの練習してたら、上手じゃなくても開けられるようになるんじゃないかな?
僕のとこでもちっちゃな口を開ける器具はあるから、仕方ない時は使うけど、補助的にしていきたいと思ってるんだよね。」
無口なJ先生がこんなに話してくれたのはびっくりでした。
黙りこくってしまったわたしにJ先生は決定的な一言をくれました。
「障害があるとないとか、そんなの僕のとこでは、言い方悪いけど関係ないじゃん。
今日だって泣いてたけど、できたから〇でしょ?
確かに大変かもしれない。大きくなればなおさら。
でもこういう子たちだって、日々成長するんだよ。
人より遅くっても、どんなに少しずつだって必ず。
そこを一緒に認めていってあげようよ。違うの?」
「そうです」と答えるのが精一杯でした。
重度知的障害児をみてくれる歯医者を探すには
J先生の魅力を書いていたらすっかり長くなってしまいました。
本当に出会えたことに感謝したい人の一人、J先生。
息子1くんの居場所を一つ見つけられた気がしました。
障害を持った子・暴れる子を歯医者に連れて行くのは気が重いです。
でも、だからこそいろんな先生を回ってみて下さい!
いつか必ず出会えるJ先生がいるはずです。
また、次回(J先生の治療方法などの)続きを書かせて頂こうと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうござました。
皆様にも素敵な出会いがありますように~。