<特別支援学校><障害児のきょうだい>通知表で「軌跡」をたどる方法
こんにちは。
いつもご覧いただきありがとうございます。
長期休暇の前の一大イベントと言えば通知表(・∀・)ニヤニヤ
大人になってみて、親になってみて、
「自分の成績を評価され持ち帰ってくる」子供より、
「自分の子供が誰かに評価された結果(に思える)通知表を受け取る」親のほうが、
緊張感がハンパなく高い!!と感じました。
自分の直接の努力では、どうにもならないもどかしい感じがします。
通知表の一日
結果はどうであれ、我が家では、必ず通知表を受け取ったら、
「おつかれさまでした~」と親子でお互いをねぎらいます。
一区切りついたってことと、無事に過ごせてよかったねという意味も込めています。
通知表は自己評価が大事
娘ちゃん、息子2くんには、同じことを聞きます。
「通知表見て、娘ちゃんor息子2くんはどう思った?」
それぞれが感想をこたえてくれます。
「社会の都道府県がよくできなかった」「国語は漢字を頑張ったから、(成績が)よくなった」とか、「英語はいい成績をキープできてうれしい」「社会は勉強の仕方を失敗したから、テストの点数も低かったから悪かった」とかです。
ちゃんと自分は、どうしてこの成績だったのかを考えて、教えてくれます。
そうすると「じゃあ、都道府県完璧したい」「また漢字ドリル頑張ろう」とか、
「英語はこのままの勉強法で頑張る」「社会は勉強の方法をかえてみる」など、
自分なりの「結果に対するアクション」を考えて教えてくれます。
わたしが言う言葉は「そっか~。がんばったね。惜しかったところは、またがんばろうね、お手伝いするよ」だけです(笑)
通知表の自己評価の後はいらいらしない
想いが伝わりにくい自閉症&重度知的障害の息子1くんがいるせいか、「〇〇しなさい」というのは苦手です。
「言ったのにできないorやってない」が起こるとイライラするからです。
言った親もイライラしますが、「やりなさい」「やってないの」と言われた子供だっていや~な気持ちになりますよね。
息子1くんには「しなさい」(指示を出さないと行動できることが少ないため)ということが増えてしまいがちなので、
「少しでも自分の意思を伝えられる」ように「自分で選択する」機会が増えるように、
「どっちがいい?」と聞くように心がけています。(3択以上にすると選択すること自体が難しいようなので、現在は2択です)
娘ちゃん、息子2くんなら、もっと自分自身のことをちゃんととらえられているのでは?と思い、「通知表見てどう思った?」と、自分自身の意見を聞くようにしました。
すると、面白いことに、通知表で小言を言う必要がなくなりました(o^―^o)
この結果がいいのかは、まだわかりませんが、1つストレスが減ってよかったかなと思っています。
specialな支援を行う特別支援学校
息子1くんは重度知的障害と自閉傾向があるため特別支援学校に通っています。
日本ではどうしても「特別」がマイナスなイメージで勝手に歩き回ってる気がします。
あのこはしょうがないから「特別待遇」しないと。
同じようにできないから「特別」に免除しよう。
普通とは違う「特別」な学校といったイメージです。
特別支援学校を英訳すると、「special school」「special needs school」「special education school」などとなります。
この英語を日本語訳すると「特別な支援を必要をとする子どもたちが通う学校」です。
つまり、特別支援学校は「特別(special)な支援をしてくれる学校」です。
イメージ少し変わってくれましたか?
通知表もspecial
息子1くんの通知表は「個別の教育支援プラン」という名前です。
息子1くんが少しでも日常生活がスムーズに送れるように、
次の3つをベースに保護者と担任とで話し合い、1年間の教育目標を決めます。
①特別な教育的ニーズ
日常生活で困難になっていることの原因、本人の克服するべき課題。
②保護者(本人)の願い
保護者(本人)が、どのようなことができるようになりたいのか。
どのような学校生活を希望しているのか。
③合理的配慮の実施内容
具体的にどのように支援し、課題を克服するのか。
この3つをベースにさらに学期ごとに、細かな「学習課題・目標」を決めていきます。
(年度途中でできるようになった場合や、さらに優先したい課題ができた場合には随時変更を加えます)
「学習課題・目標」に対し、担任が一つずつ「指導内容・方法・手だて」を考えます。
☝ここまでが、評価の基準になるものです。
学期が終了するごとに「評価」を担任が記入し、親の元へ届けられます。
なんとなく想像できるかと思いますが、ものすごい文字数です。
普通の学校の「1~5」「よくできる・できる・がんばろう」では評価ができません。
「できるようになった」を知るのではなく、
「こんなに頑張ったよ」を教えてもらう通知表です。
specialな通知表の中身
例えば美術の場合、
「学習課題・目標」…落ち着いて活動に参加し、作品を作ることができる。
「指導内容・方法」…見本に注目させあらかじめ何を作るのか声掛けをし、見通しを持った状態を作る。
「評価」…声掛けすると見本に注目し、短時間ではあるが、見通しを持って活動に取り組むことができた。
となり、1学期でA4用紙両面で4枚の内容になります。
まさに一人一人の特性に合わせた特別な支援を行っていただいています。
ありがとうございます。
自分の言葉がない、気持ちを伝える手段をほとんどもたない息子1くん。
日々の学校での様子を、毎日の連絡帳でも伝えてもらっています。
「どんな気持ちだったの?」はなかなかわからないけれど、
「何があったのか」「どれだけ頑張っていたのか」は
文字でダイレクトに伝わります。
通知表は軌跡
息子1くんがどんな風にどんな景色を見ているのかはわからないけれど、
息子1くんの様子をたくさんの人が見続けることで、
息子1くんが世界を見ていた場所の「軌跡」を追うことができます。
息子1くんなりのペースで少しずつ成長している日々、1学期に1回じっくりと振り返ります。
楽しい日もちょっと悲しかった日も、いっぱい頑張ったんだよね。
同じ想いを娘ちゃん、息子2くんにも持てるのは、
やっぱり、息子1くんが教えてくれたのかもしれません。
1年間お疲れさまでした☺
日々に追われてしまうけど、軌跡を振り返る時間ができたことは幸せです。
毎回、通知表を夜中に見返して、涙ぐんでいます( *´艸`)
ぜひ、お子さんの通知表の裏側に隠れている、お子さんが歩んだ軌跡を聞いてみて下さいね。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
皆様の心に残る素敵なことがありますように~