<障害児を育てる>障害児の散髪の重要性と実際
こんにちは。
いつもご覧いただきありがとうございます。
重度知的障害&自閉症の息子1くんは、専門医にも「超多動だね~」と言われるほど落ちつきがなく常に動いている中学生です(;^_^A
食事の際でも、いまだに目を離すと瞬間移動していることがあります。
(外食ではじっとしていてくれることが増えましたが)
苦手なことが多い息子1くんですが、先日、苦手なものベスト3くらいに入る散髪に行ってきました。
障害児なのに坊主頭の理由
息子1くんは3ミリの坊主頭がベースで、2ヶ月に1回のペースでバリカンで刈ってもらいます。
2年前までは、わたしが自宅で息子1くんをバリカンで散髪していたのですが、息子1くんの力がかなり強くなり暴れるので断念しました。
坊主頭にこだわりがあるわけではないのですが、もともと息子1くんはかなり強い天パなので、髪が伸びるとボディソープ用の泡立てネットみたいなくるっくるのアフロになってしまうのです(笑)
障害児が自分でできない「お手入れ」は楽が一番
坊主頭は何よりお手入れが楽です(笑)
お風呂は大好きなので問題なくシャンプーやトリートメント(今はしていませんが)はできますが、問題は髪を乾かすことと朝のお手入れです。
重度知的障害の息子1くんに「髪を整える」ことはできませんから、必然的に介助が必要なことになます。
さらに、自閉症傾向がある人に多いですが、息子1くんは顔や頭に触られることを嫌がりますし、大きな音のドライヤーも苦手です。
障害者が嫌がることを介助するのは大変な労力と時間と根気がいります。
わたしは申し訳ないですが髪のお手入れという毎日の「名もなき介助」は断念しました。
障害児の散髪の重要性
以前、記事にした話ですが、人は初めて出会った人の第一印象を決めるのに、3種類の情報を得て判断すると言われています。
1つ目は視覚情報(見た目・表情)、2つ目は聴覚情報(声のトーン・話し方)、3つ目は言語情報(話の内容)です。
またこの3種類にはそれぞれ優先順位があり、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%の割合で第一印象を決めるのです。
重度知的障害のある息子1くんは構音障害もあり、単語さえ話すことができません。
うなる事やテンションが上がって声を上げる事はありますが、話はできません。
息子1くんと初めてあった人は、
聴覚情報と言語情報が得られないため、
「視覚情報のみで判断」し、第一印象を決めるしかないのです。
話せない障害児は見た目が100%第一印象に繋がる(可能性が非常に高い)のです。
生まれ持っての顔や体格は変えられませんが、清潔感などは意識すれば変えることができます。
整った髪の方が(坊主でも)、おしゃれでなくても清潔に見えますから。
坊主頭はアトピーの薬をつけやすい
息子1くんはアトピー性皮膚炎です。成長と共に落ち着いてきているのですが、日々保湿剤は欠かせません。
特に冬場の乾燥やプールの塩素の刺激には弱く頭皮まで乾燥してしまい、カサカサでかゆくなることがあります。
「かゆい」などの生理的現象は障害児には大敵で、「かゆい」に意識がいってしまうと他の何も手に付かなくなってしまうことさえあります。
坊主頭にしていると、頭皮の様子もわかりやすく、薬も塗布しやすいという介助者の利点があります。(天パだと頭皮まで薬が塗りにくいんです)
障害児の坊主頭は珍しいから撫でてもらえる
番外編ですが、坊主頭は特別支援学校では珍しいようです。
そして、先生やお友達が面白いのか、かわいいのか、気持ちいいのかわかりませんが、よく息子1くんの頭をなでてくれます(笑)
息子1くん自身もなでていますが、なでられるのは「わるいことじゃない」と知っているので、まんざらでもない表情を浮かべています( *´艸`)
障害児は散髪の何が苦手なのか
特別支援学校に通う生徒さんはやはり、散髪が苦手な子が多いです。
じっとしているのがまず苦手という子が多く、ケープがいや、はさみが怖い、(パーマ液などの)匂いが気になるなどの理由があります。
障害児はバリカンの音が苦手
発達障害児で多いのが息子1くんと同じで大きな音が苦手という子です。
耳元でなる大きなバリカンの音は、息子1くんも苦手で頭をくねらせて逃げようとします。
「音はしない」がはさみだと長時間かかる
音がしないように髪をある程度伸ばして「はさみで切ってもらう」のが一番なのですが、バリカンよりはさみは長時間かかるというデメリットがあります。
(先日も息子1くんより先にスタートした紳士よりも、後からスタートし暴れながらバリカンしてもらった息子1くんの方がかなり早く終わりました)
また息子1くんの場合は、音のした方を向いてしまうので、シャキンと言うたびに振り返る危険があります。
多動の子は動き回る事も、突然予想もしない方向に動くことも多いので、
はさみは切れ味がいいので危険性が高いともいわれます。
障害児は回数を重ねることが一番
療育の基本ですが「何回も繰り返すこと」が障害児にとっては、「慣れる」ための唯一の方法です。
「慣れる」まで泣こうが暴れようが「何度でも繰り返し」て、
「見通しを持って」安心して「できるようになる」のを目指します。
日常のすべてが「繰り返しの療育」です。
いつも暴れる障害児を散髪してくださってありがとうございます
息子1くんは近所の1000円カットに通っています。
いつも主に男性の方が「しょーがないな~」と気合を入れて(わたしも両手をつかみながら)バリカンしてくれます。
「上手に逃げるから、面白いよね~」とかいいながら切ってくれます。
先日は息子1くんに手慣れたスタッフさんがみんなさんお休みだったらしく、「慣れた方の方が・・・」とおすすめされましたが、初めての女性の方にカットして頂きました。
「1回理容室に行って何もしないで帰ってきたら、散髪はしなくてもいいんだと(息子1くんが誤って)思い込んでしまう」方が困るので、「申し訳ありませんが、できる限りで結構なのでお願いします」と「暴れないように手伝いますし、だいたいでも構いませんで切っていただけませんか」とお願いしました。
やはり暴れてしまいましたが、さすがプロのスタッフさんきれいに仕上げていただきました。「もっときれいにできればよかったんですけど・・・」とまで言っていただき、それだけでうれしかったです。
ご迷惑はおかけしましたが、またひとつ、息子1くんの世界が広がった気がしました。
最後に
障害児は散髪に限らず身だしなみを整え維持するのが難しいです。
いくつもの介助があって身だしなみが作られているのです。
健常者にとっては「できて当たり前のこと」を障害者が「努力して行っていること」だと少しでも知っていただければと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
皆様にとって良い一日になりますように~