<障害児を育てる>ドッグセラピー効果はあるのか
こんにちは。
いつもご覧いただきありがとうございます。
我が家にはmasaくん(オス・2kg)とhimeちゃん(メス・4kg)という2人のトイプードルがいます。
標準よりもかなり小さめのなので、よくお散歩中に「赤ちゃんなんですか~?」と聞かれますが、それぞれ6歳と5歳と立派に大人なお歳です(笑)
ワンコは外見で年齢が分かりにくくてうらやましいっ(; ・`д・´)
ドッグセラピーとは
ドッグセラピーは主に精神面(メンタル)のケアに効果があると言われています。
犬の外見の愛くるしさもそうですが、障害があること、病気があることなど関係なく、ワンコは飼い主と認めた人を、心から愛してくれます。
愛されることはどんな人でも「自信」に繋がり「自己肯定感」をもたらします。
また、ワンコの世話をしたいと思ったり、実際にすることで、他者に対する優しさに目覚めたり、手間をかけることでより愛情が深くなっていくと言われています。
はじまったのは
アニマルセラピーの歴史は古く、古代ローマ時代に負傷した兵士のリハビリに行った「乗馬」(乗馬療法)が始まりとされています。
最近では高齢者や寝たきりの人などに行われるアニマルセラピーが有名ですが、不登校や引きこもり、摂食障害といった心の問題を抱える人たちにも実施されています。
犬だけでなく、猫、馬、イルカ、小動物、魚などいろいろな動物で行われいます。
発達障害児に期待できること
ドッグセラピーに期待されることは、健常者、障害者を問わず変わりませんが、「孤独感」や「自信がない」など情緒面での安定が欲しい人におすすめされます。
発達障害児のコミュニケーション能力の向上
ワンコは人間同士とコミュニケーションの取り方とは違い、はっきりとした言葉がなくてもやりとりができます。
人間と違って嫌なことばかり言いませんし、安心して接することができます。
発達障害児のリラックス
かわいらしい見た目と、ふわふわの毛並み、温かな体に触れることでリラックスできます。
リラックスできる時間が増えると、感情のコントロールを身に付け、発達障害児に多い問題行動は減っていくといわれます。
我が家のドッグセラピー
6年前、ブリーダーさんで売れ残っていたmasaと出会い、我が家にやってきました。
重度知的障害&自閉症の息子1くんの激しい自傷の日々が落ち着いていた時期で、息子2くんもおむつも外れて元気いっぱいに走り回るころでした。
わたし自身、ドッグセラピーの効果に若干の期待をしつつ、大きなワンコは苦手なので小型犬を飼ってみたい気持ちがあったので決断しました。
ドッグセラピーに期待したこと
わたしはワンコを迎え入れることで、きょうだいの娘ちゃん・息子2くんには悩んだ時にも「自己肯定感」をもってほしいと思っていました。
重度知的障害&自閉症の息子1くんにはワンコの可愛さや従順さに「少しでも癒されてリラックス」してもらえればと願いました。
知的障害児と犬の関係
息子1くんとmasaの関係は、予想はしていましたが当初は少なからず大変でした( ;∀;)
masaを迎えるまで知らなかったのですが(←これもよくない)、息子1くんは動物自体が苦手だったようです。
言語喪失前は外で犬を見ると「わん」、猫を見ると「にゃー」と言って近寄っていたのですが・・・「家の中にワンコがいる」のとはちょっと違っていたようです。
ちなみにふれあい動物園などのひよこ、モルモット、うさぎなどでさえビビります(笑)
自閉症児には犬より猫がよかったかも
masaはとびきり「人が好き」なので、だれにでもしつこく「あそぼあそぼ」してくる子犬ちゃんでした。(現在はずいぶん落ち着いた大人なワンコです)
自閉症児にとっては「しつこく自分の世界に踏み込んでくる」ワンコだったようで、しつこくされると耳を抑えて、ふいっとワンコから距離を取っていました。
猫も一時期飼っていたのですが、猫は犬ほど積極的にしつこいほど寄ってこないので、猫が息子1くんのそばにいても平気そうにしていました。
また、同じ寒がりということもありヒーターの前に息子1くん&猫が並んで陣取っている光景はよく目にしました(笑)
(猫はわたしと息子1くんにアレルギーが出てしまい、猫好きの知人に引き取ってもらいました。今でも幸せそうに暮らしていますよ)
障害児を飼い主の一人と認識させる
当時は今よりもまだ息子1くんの目立った問題行動も多く、どうしても息子1くんを注意する事が多い毎日でした。
そんな様子をワンコはしっかりと見極めていました。「怒られてばかりいるあの子はmasaより偉くない」と認識し始め、masaは息子1くんに対し吠えたり、威嚇するようになりました。
わたしが息子1くんを「自分が思っている以上に怒っている」と気づかせてくれたのはワンコでした。
もちろん、 注意したりしかることは娘ちゃん・息子2くんにもありました。
でも、今よりも心に余裕がなかったわたしは息子1くんに「何回言ってもできない」「何でできないの」という怒りをぶつけていたのだと思います。
masaの行動に気づいてから、息子1くんを注意する時も丁寧に、大きな声を出さないように心がけました。
するとmasaも「息子1くんもmasaの飼い主」と理解したようで、息子1くんに対して吠えたり威嚇することはなくなりました。
知的障害児にトイレを教えてくれる
最近でもまだトイレトレーニング真っただ中の息子1くん(中学生男子)。
時間排泄をしているので「トイレは~?」と声をかけると向かうのですが、息子1くんが気乗りしない時はトイレに向かいません(反抗期)。
するとmasaが息子1くんの周りを駆け回り「わん・・・わん」と数回吠えて促しているようです。
masaに言われると「も~うるさいな」という顔でトイレに駆け込んでくれる息子1くんです(´ω`*)
知的障害児との場所の取り合い
masaと息子1くんは同じクッションや毛布が好きだったり、ソファの座る位置が一緒だったりします。
masaしかいない時は、ここぞとばかりに占領していますが、息子1くんと場所取り争いになるとmasaが譲ってくれることが多いようです(笑)
仲がいいような悪いような2人です。ただ眠るときは、masaはわたしの横で寝るのが定位置なので、なぜか寝ている息子1くんを守るのはhimeの担当で息子1くんの顔の横に陣取っています。
知的障害児とのワンコ散歩
masaは飼い主の横にぴったりとくっついて離れないワンコなので、息子1くんがリードを持っていても大丈夫です。
リードを持っている時の息子1くんはなんだかうれしそうで、自信にあふれた表情をします(*ノωノ)
たまに息子1くんは注意がそれて、リードを離してしまいますがmasaはきちんと待っています(笑)
masaはわたしから息子1くんが離れてしまわないように(?)振り返りながら進みます(でも、軽いので引きずられます笑)
きょうだいと犬の関係
家の中では、どうしても息子1くんにかかる時間が多い分、ワンコと仲良くしてくれればと考えていたのですが、願い通りに仲良くなってくれました。
きょうだいは手放しで可愛い
学校から下校するとmasaとhimeが玄関までダッシュで迎えに来てくれるのが一番うれしいという息子2くん。
思春期のもやもやをhimeにこっそり話している娘ちゃん。ソファでくつろぐときはいつもどちらかを膝にのせるのが習慣です。
きょうだいはすすんでお世話をしてくれる
息子1くんにワンコのお世話は難しいですが、きょうだいはすすんでしてくれます。
そこから優しい気持ちが生まれてくれればと、願うばかりです。
母子家庭とドッグセラピー
ここまでとても楽しい気持ちで紹介してきましたが、やっぱり現実としてワンコにはお金がかかります。
特に春は健康診断や、狂犬病などの予防接種が目白押し・・・
ワンコは人間と違い健康保険がないのでお高くつきます。
何度か真剣にワンコたちを(貰い手があったら)手放そうかと悩んだのですが、
「娘ちゃんがバイトできるようになるまで待って。
masaとhimeがいても大丈夫なように手伝うから」
と娘ちゃんに言わせてしまい、深く反省しました。
最後に
人間同士では言葉が通じないとコミュニケーションが取れないと思ってしまいがちですが、ワンコとの関係のように言葉が無いからこそ「相手をしっかり見る」こともできると思います。
かけがえのない家族になってくれているmasaとhimeにもありがとう。
長くなりましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。
みなさまにとってかけがえのない一日になりますように~